|
|
|

|
|
|
 |

 |
|
■桐島 洋子さん
きりしま・ようこ
1937年生まれ。文藝春秋に9年間勤務の後、ジャーナリストとして海外各地を放浪。72年、『淋しいアメリカ人』で第3回大宅壮―ノンフィクション賞受賞。以来マスコミの第一線で活躍。50代からカナダ、バンクーバーで1年の3分の1を暮らす。 |
人生の四季を生きる
中高年の方にとって、「尾根歩きを楽しもう」というのは大変勇気付けられるメッセージだと思います。
桐島 私は50歳になってから、林往期という言葉を旗印にしています。林往期というのは、人生の秋ということなんです。インドの仏教では人生を4つの四季に生き分けるという哲学がある。人生の春、つまり青年期は学生期といって、勉強したり修行したりする季節。それから人生の夏、壮年期は家住期といいます。これは仕事に励んだり家庭を築いたり、子どもを育てたりする、一番働き盛りの時期です。そうやって一生懸命働いて、家庭的な努めも社会的な勤めも一段落したところで、やっと涼しい風が吹いてきて、秋の林往期に歩み入るわけです。
一息ついて、あらためて自分自身の人生に向き直り、生きる意味をしみじみと考えたり、自然に心身を浸したり、芸術を楽しんだりする、ゆとりの季節が林往期です。よく熟れた人生の果実を存分に味わい尽くせば、あとは心置きなく淡々と枯れ尽くして冬を迎えられる。
その冬のことは、遊行期といいます。「遊行」というのは巡礼などの意味です。四国のお遍路さんなどは典型的な遊行の姿ですが、これは死の準備の季節です。それが人生の春夏秋冬です。
私は林往期というのは一番素晴らしい季節だと思うんです。日本人は「あなたもそろそろ人生の秋ね」というと嫌な顔する人が多いですね。だいたい林往期に入りたがらず、いつまでも家往期にしがみつきたがる(...続きを読む)
|
|
|